9月下旬、茨城県かすみがうら市にある田口農園にお邪魔しました。
今回初の試みとして、パティシエ自ら栗の収穫から加工までを一から行い、とっておきのモンブランタルトを作りました。
和栗にもいろいろな品種があるのはご存知でしょうか?
田口農園で育ている「利平(りへい)栗」は、実が大きく甘みが強いとても美味しい栗です。皮はツヤっと光沢があり、黒みを帯びた濃い茶色。
他の品種と比べると収穫量が少なく、栽培の難しさから希少性が高いこと、またその美味しさから「栗の王様」「幻の栗」などと呼ばれています。年々収穫量が減少しており、入手困難になりつつあるそうです。
茨城県は生産量・栽培面積ともに日本有数の栗の産地。
田園風景の一角に、背が高く葉をたくさんつけた栗の木が並んでいます。
こちらの田口農園で利平栗収穫のお手伝いをさせていただきました。
この日は晴天でしたが、葉っぱのおかげで敷地内は全て日陰で快適です。上からイガ栗が落ちてくることもあるので、頭を守る帽子が必須。虫も多いので長袖長ズボンの完全防備です。
9月下旬〜10月にかけてが、利平栗の収穫時期です。落ちているイガ栗を両足で割って、中の実を長いトングで取り出します。樹上でイガが破れ、きれいな実だけ落ちて地面に転がっていることも。まさに栗”拾い”ですね。
持ち帰り、さっそく栗仕事に入ります。たっぷりのお湯で栗をさっと茹でて、乾かし、冷蔵庫で2〜3週間熟成させます。こうすることで栗の甘さがさらに増します。
熟成後はスチームオーブンで3時間程度蒸して、まずはホクホクの蒸栗に。
中の実をスプーンで一つずつくり抜いて、手作業でザルでこします。砂糖などと合わせて、口に入れたときにふわっと和栗のやさしい香りと甘みが感じられる和栗ペーストに。これをクリームを合わせて、トップのモンブランクリームを作ります。
残るは渋皮煮です。下処理した栗の鬼皮を剥き、渋皮のついた状態で茹でてアク抜きを何度も繰り返し、竹串などを使って丁寧に栗のお掃除をします。すると、きれいな木目のような模様が出てきます。これをミネラル豊富なきび砂糖でコトコト煮て、ほっくりとした食感の自家製渋皮煮が完成。栗本来の味わいを生かした、まろやかでやさしい甘さでとても美味しく仕上がりました。
セントラルキッチンで焼き上げた、バター香るサクッと香ばしいアーモンドタルトにメレンゲ、北海道フレッシュクリーム、和栗クリームを重ね、自家製の渋皮煮を飾りました。
パティシエ自ら収穫から行った、特製 利平栗モンブランタルトの完成です!
中にもごろっと栗が入っているので、希少な利平栗の上品な甘みや香りをたっぷりと味わっていただけます。製造風景も少しだけ特別にお見せします♪
田口農園 利平栗のモンブランタルトは、収穫量の少ない利平栗を使用しているため、また、製造に非常に手間と時間がかかるため、数量限定でご用意させていただきました。
ラ・メゾンオンラインショップで11月11日からご購入いただけます!
この機会にぜひご利用ください。