今澤 綾〈いまざわ あや〉
ラ・メゾンの企画広報担当として全国の生産者を取材しています。休みの日には旅行やフェス、イベントに行ったりとアクティブ派ですが、おうちでゲームもお気に入り。各地で見つけた食材を中心に発信していきます。
日本でも有数のマグロ漁獲量を誇る"三崎マグロ"を求めて、神奈川県にある「みさき魚市場」を訪れました。
早起きをして始発で向かった先は、神奈川県の三浦半島の端っこにある三崎口。
そちらにあるのが三浦市三崎水産物地方卸売市場、通称「みさき魚市場」です。
みさき魚市場での取引は、大きく2つに分けて沿岸物(イカ、サバなど)と冷凍マグロがあります。
特に冷凍マグロ類の取引が有名で1日に400本から1000本程度の取引がされています。
三崎のマグロの美味しさの秘訣について教えてくださるのが、
相原さんのお勤めの株式会社西松は、みさき魚市場を使う中でも創業明治27年の老舗会社。
取り扱うマグロの数も多く、市場ですれ違う人に知り合いの多いことからも、
中心的な存在ということが伝わってきます。
ちょうど船からマグロが運ばれてきたところで、魚市場に到着。
私の想像をくつがえす綺麗な施設には、立派なマグロがごろごろと並んでいました。
こちらの平成30年4月24日から使用している「三浦市低温卸売市場」は、
高品質の衛生管理基準を可能にした建物や、施設を活かした漁業振興への取り組みなど創意工夫が見られる点が評価され、国から表彰されているほどの市場です。
主な特徴としては、水がたまらない仕組みです。
通常魚市場というと、床は水浸しで、その水が菌の発生原因になってしまいます。
しかしこちらでは、冷凍のマグロを冷凍のままセリにかけ、冷凍のまま各コンテナへ運べる仕組みを可能にしました。
そのため、床は常にクリーンで、衛生環境が徹底されています。
また-15℃での温度管理と、衛生環境を維持するために、全ての扉は二重扉になっている徹底ぶりです。
横の列に同じ船であがったマグロが並び、その単位は基本的には25頭づつ、船ごとにセリが行われていきます。
プロの目で見ると、マグロを見ればどれが同じ船であがったのか、釣り上げられた順(鮮度の高さ)なども、だいたい検討がつくとのこと。
私にはさっぱりわかりません…。
なにで判断するのかというと、
・全体の形(真っ直ぐだと冷凍精度が高いため鮮度が高い、皮目の色)
・切り身の様子(色、肉ぐき、弾力、血合いや霜の入り方など)
などなど、着眼点はいろいろとあるそう。
切りとった尻尾の切り口の様子を見ると、マグロ全体の状態がわかるそうです。
そこで全体の状態を見極めて、1尾何十万というマグロを落札していきます。
聞いてもなかなかわからないなと思っていたら、
「じゃあ実際に近くで見てみますか?」とのことで、
特別に見学させていただけることになりました。
近くで見ると迫力がまたすごいです!
60kgとかあるマグロを、ごろごろっと転がしながら運搬する様子は、なかなか間近で見れないですよね。
みなさん真剣に、しっぽの切り口を見て、値決めしていました。
そうやってセリで取引されたマグロは、各々の会社の倉庫へ運ばれていきます。
各コンテナに冷凍のまま運ばれ、そのままスムーズに冷凍車で運搬されていきます。
ここから各社の冷凍室に一度保管されるのですが、
今回特別にその冷凍室へ入室させていただくことに…!
寒いの苦手なので正直あまりいきたく…いや、とても楽しみです!
厳重な扉が二重構造になっており、
室内はなんと-60℃!タオルと振り回すとすぐ凍ってしまう寒さです…!
ノンフロン構造になっており、湿気がなくからっとした庫内は、マグロに水分がつかず、鮮度も高く冷凍ができます。
こちらで保管されたマグロは、後日店舗へ届きます。
半年から1年かけて、遠洋漁業で釣り上げられたマグロは、
船上で活け締めされ、そのまま低温で丸一日かけて完全に冷凍されることで、
とれたての鮮度でお客様へ届けることができます。
漁師さんの努力と、最新の技術、そしていろいろな方々の手を経て、私たちの口に届くのですね。
今回取材した、神奈川県三崎のメバチマグロを香ばしくグリルして爽やかなジェノベーゼと合わせました。
同じ神奈川県の老舗メーカー、岩井の焙煎胡麻油の香りと一緒に楽しめます。