今澤 綾〈いまざわ あや〉
ラ・メゾンの企画広報担当として全国の生産者を取材しています。休みの日には旅行やフェス、イベントに行ったりとアクティブ派ですが、おうちでゲームもお気に入り。各地で見つけた食材を中心に発信していきます。
夏の愛されフルーツ「白桃」を求めて、初夏の暑さ始まる山梨県を訪れました。
山梨県は全国でも有数のフルーツの産地です。
桃、ぶどう、すもも、さくらんぼなど、全国で生産量上位を誇り、その品質もよく美味しい食材の宝庫です。
山梨県が作物を育てるのに優良な土地となった理由は、気候と地形にあります。
まず山梨県の気候は、
①「昼と夜」の一日の気温差が大きい
②年間の日照時間が日本一長い
③年間の降水量が少ない
という内陸性気候で、美味しいフルーツや野菜の栽培に適しています。太陽の光がたくさんあたることで、農産物を甘くする素(でんぷん)が作られます。一方、夜の気温が低いと、そのでんぷんは無駄に使われず、フルーツなどの内部に貯えられ甘み(糖分)に変わります。
そのため糖分を多く含んだ農作物が育ち、甘く品質の良いフルーツが収穫されます。
また、降水量が少ないと病気にかかりにくく元気な農産物が育ち、さらに土壌の養分が流されずに吸収率が上がります。
山梨県は四方を山に囲まれ、県全体の77.5%が森林です。山や高地に囲まれた低い平地である甲府盆地。盆地には山々を流れた水分や養分が集まるため、農作物の栽培には向いている地形です。
さらに甲府盆地は「扇状地」と呼ばる、川が山から平地に流れ出るところに土砂が積もってできた地形です。扇状地はとても水はけがいいことが特徴です。水が溜まり続けるのではなく適度に排出されるため、農作物が水分を吸いすぎてしまいまうこともなく、味の濃い美味しい農作物が育ちます。
また美味しい農作物を育てるには、水も大きな要素の一つです。
山梨県は「名水百選」と「平成の名水百選」に7ヶ所が選出されている名水の産地。その名水は富士山や八ヶ岳、南アルプス、奥秩父などの山々から生み出されています。山々に降った雨や雪解け水が大地にしみ込み、20年やそれ以上とも言われる長い時間をかけて地中でろ過されて綺麗な水になり、地層や岩石から溶け出したミネラル分を豊富に含む地下水となります。
このような最適な気候と地形が揃った山梨県では、美味しい農作物が育つのも納得です。
全国一位の桃の生産量を誇る山梨県。その中でも最大規模の選果場を抱え、桃の農家さんだけで500軒以上もいる笛吹市御坂町。
そんな桃源郷を訪れ、生産者様から桃について教えていただきました。
6月中旬は、早生種の桃が色づき始めあと1,2週間で収穫が始まる時期。果実の保護のために、丁寧に一つ一つ紙のカバーが被せられています。地面には、果実の色づきを促進させる白地のシートが全面に敷かれ、太陽光を集め果実に光がより当たるように工夫されています。
美味しい桃を育てるには「土づくりが1番味が変わります。」と生産者の方は言います。有機質肥料を多めに使用する、土を柔らかくするなど、農作業の多くは土づくりがメインとなり、そこで農作物の味が決まってきます。
他には草生栽培で養分が流れないようにして木に養分を蓄えることや、より日当たりが良くなるように木の間隔をあけて、木の本数を制限してることなど、様々な工夫が美味しい桃を育てる秘訣なのです。
桃は生食用としては全国で100以上の品種が栽培され、約12万トンの収穫量があります(2017年)。歴史も古く、日本では弥生時代から身近なフルーツだったようです。
桃は適切な収穫期間がとても短い果物で、1品種につき約1週間ほどしかありません。そのため、生産者の多くは一つの農家で、多数品種を栽培します。
6月中旬に収穫が始まる早生種の「ちよひめ」からスタートし、8月末頃まで採れる「川中島白桃」などいろいろな品種を栽培することで、収穫期間をなるべく長く確保し、自然災害をはじめとするリスクも分散できます。
生産者でも木や果実の見た目だけでは全ての品種を見分けることは難しいが、収穫時期で判断できるくらい、多くの品種があり細かく収穫時期が分かれています。
桃は桜のように産地が北上していくフルーツ。それに合わせて品種も移り変わります。そのためラ・メゾンで使用する桃も、その時に収穫できる品種や産地のものをお届けしています。
桃だけの選果場としては全国最大規模を誇る御坂の選果場。2年ほど前に、設備投資をして大規模リニューアルしました。綺麗になっただけではなく、最新設備の投入でより効率的に品質の良い状態で品質管理ができるようになりました。
以前の収穫の繁忙期では、朝から夜更けまで近隣の方が総出で選果作業をされていたそうです。しかし、リニューアル後は暗くなる頃には帰れるようになったとのこと。繁忙期は一日中時間をかけても捌ききれないほどの桃が持ち込まれるので、簡単に終わる作業ではありませんが、以前に比べて働く人にとっても環境改善に繋がったようです。
また改善されたのは人だけではなく、桃の品質についても向上しています。繁忙期は捌ききれないほど多くの桃がレーンを流れ、選果されていきます。そのため一つの大きさや等階級に偏るとそのレーンに桃が詰まり、実を傷つけてしまうなどのことが起きてしまっていました。
しかし今回の改良で、一定量より多くなると別のレーンへ移動してもう一周してから選果されるようになり、実を傷つける恐れがなくなったため、品質も向上しています。
桃は朝に収穫され、農家さんが選果場へ各自持ち込みます。持ち込みは10:00までに行われ、その日の朝収穫した桃を、その日中に選果場へ持ってきます。
この日の桃が持ち込まれた総量は、ケース約1000枚分の約15t。繁忙期になると5000枚分以上の桃が持ち込まれるそう。すごい量です。
持ち込まれた桃はまずは人の目で「規格内か外か」の選果をします。大きさや色形、傷などがないかを確認し、規格内の桃だけがレーンに運ばれます。
規格内と判断されレーンに流れた桃は、まずは機械を通り大きさを9サイズに選別します。その後は人の目で、等級を選別します。上記の画像が人の目で選別している場面です。
等級は3ランクあり、
大糖領:糖度が12度以上で、色形が美しく最も甘みのある最高品質の桃
青秀:糖度が10度以上で、色形も綺麗で甘みの高い桃
赤秀:糖度が8度以上で、色形も良い桃
と選別されます。
まずは人の目で、色形や傷がないかをチェックし、3ランクに選別します。その際に、レーンの位置で選別を行います。レーンの上部にずらすと大糖領、下部にずらすと青秀となり、その情報をもとに、再度光センサーの機械を通し、最終の糖度や大きさ色形をチェックし、それぞれのレーンへ選別されていきます。
こうして精密な機械の目と、人の目でチェックされた桃は、9サイズ3ランクに振り分けられ、それぞれのレーンに流れていきます。流れてきた桃は、人の手で丁寧に一つづつネットをかぶせ箱詰めをします。そしてその箱で市場へ届けられ、早くて翌日には店舗へ届きます。
たくさんの方の想いをのせて、お客様の元へ届いているんですね。
価格:1piece ¥1,180(税込)
販売期間:2023年8月1日~2023年8月31日
商品詳細:スフレチーズタルトに爽やかな酸味のベルガモットジャムをしのばせ、蜂蜜クリームを重ねました。みずみずしい白桃をたっぷりと飾ったやさしい甘さのタルトです。
https://la-maison.jp/tart/002135.html
価格:1piece ¥1,180(税込)
販売期間:2023年8月1日~2023年8月下旬
商品詳細:しっとりとしたケークタルトに杏仁クリームとパインクリームを重ねました。トロピカルなクリームと白桃の甘み、いちごの甘酸っぱさを楽しめる暑い時期にぴったりのタルトです。
https://la-maison.jp/tart/002136.html
価格:1piece ¥1,120(税込)
販売期間:2023年8月1日~2023年8月31日
商品詳細:香ばしいアーモンドタルトにいちご・キウイ・黄桃・白桃をディプロマットクリームで包み込みました。みずみずしい白桃を贅沢使用したタルトです。
https://la-maison.jp/tart/001552.html
1whole<15cm>¥3,500(税込)
販売期間:2023年7月8日〜8月31日
なめらかなフロマージュムースに白桃といちごをジュレにとじ込め、旬のみずみずしい白桃を華やかに飾りました。
https://la-maison.jp/tart/001558.html
ショーケースが桃づくしになる7,8月は、ラ・メゾンの桃マルシェで夏を食べ尽くそう!
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▼ラ・メゾンの桃マルシェについて詳しくはこちらから
https://la-maison.jp/momomarche/