今澤 綾〈いまざわ あや〉
ラ・メゾンの企画広報担当として全国の生産者を取材しています。休みの日には旅行やフェス、イベントに行ったりとアクティブ派ですが、おうちでゲームもお気に入り。各地で見つけた食材を中心に発信していきます。
ナガノパープルは長野県果樹試験場(須坂市小河原)で開発されたのち、平成16年には品種登録されたぶどうです。「巨峰」と「リザマート」という2種類のブドウを交配して育成されました。
「巨峰」は香り豊かな高糖度の甘味ときめ細かな風味を持ち、果肉はコクがあり優しい酸味が感じられる人気の大粒ぶどう。一方「リザマート」は、ジューシーで酸味が少なく、くどさのない甘味がある希少な高級ぶどうで、皮が薄いためそのまま食べられるのが特長です。
そんな2種の特徴を受け継いだ「ナガノパープル」は、巨峰に勝るとも劣らない糖度で、リザマートのような薄い果皮でそのまま食べることができるぶどうとなりました。
長野県中信農業試験場の研究では、ナガノパープルをひと房食べると、場合によっては赤ワイン1本分(720ml)と同程度のレスベラトロールを摂取できるとされています。
そもそもブドウの皮にはポリフェノールの一種「レスベラトロール」が豊富に含まれており、この物質はブドウの果実の場合、皮にしか含まれていないとか。そんなポリフェノールを豊富に含んだ皮ごと食べられるナガノパープルは、美味しいし食べやすいだけではなく、栄養もとれる素敵なぶどうです。
皮ごと全部食べられるというと、「皮は無いにこしたことはない」という印象を与えるかもしれませんが、実際に食べてみると、この皮のシャリシャリ感が果実のうま味を一層引き立てている上に、黒ぶどう特有の奥深い味わいが感じられます。
またさっぱりとした甘みでくどさがなく、1人で1房食べられそうなくらい飽きない味わいです。
こんなに美味しいナガノパープルですが、まだまだ気軽に購入できるほどの生産がないため、高級ぶどうの1種です。その理由のひとつは、栽培の難しさ。
他品種に比べ裂果(果皮が裂けること)しやすいため、生産者の方は「出荷を目前に控えたときに裂果が発生するのが一番つらい」と栽培の苦労も教えてくれました。その一方、ナガノパープルの味の良さは「食べてもらえばおいしさが絶対にわかってもらえる」とみなさま口を揃えておっしゃっていました。
美味しさのメリットでもある果皮の薄さが、栽培においては難しいポイントになっているのですね。
1piece ¥1,180(税込)
販売期間:2023年9月1日〜9月30日
販売店舗:ラ・メゾン アンソレイユターブル 全店
しっとりとしたケークタルトにレモンピールを練り込み、爽やかなレモンフロマージュクリームとベリークリームを重ねました。みずみずしく甘みたっぷりのナガノパープルを飾ったタルトです。