今澤 綾〈いまざわ あや〉
ラ・メゾンの企画広報担当として全国の生産者を取材しています。休みの日には旅行やフェス、イベントに行ったりとアクティブ派ですが、おうちでゲームもお気に入り。各地で見つけた食材を中心に発信していきます。
「笠間の栗」は、栗の栽培面積・出荷量ともに全国第一位の茨城県において、県内一の栽培面積を誇る笠間市産の栗です。笠間市は、温暖な気候や火山灰土壌で美味しく薫り高い高品質な栗を育んでいます。
フェア商品に使用される栗ペースト、栗の甘露煮は、全て笠間栗ファクトリー株式会社で加工しています。
笠間市にある笠間栗ファクトリー株式会社の工場で、収穫した栗を品質の良い状態で加工することで、栗本来の豊かな風味をお楽しみいただけます。
残暑が残る9月の暖かい日に、茨城県笠間市の栗の農園を訪れました。
茨城県の温暖な気候を肌に感じながら、栗の木々が並ぶ農園を歩き、生産者の方にお話をお伺いしました。
こちらの農園では、栗の木を約10品種ほど育てていらっしゃいました。
日本で育てられている栗の品種は少なくとも50種はあると言われております。
有名な品種として、早生の品種では"丹沢"。熊本県で最も盛んに栽培されています。口の中に入れるとホロホロと崩れるほど粘り気が少なく、淡白な味わいで甘味や香りが少ないため、スイーツから料理まで幅広く活用できます。
続いて中生の品種では、"筑波"。悪天候や病気にも強いことから現在国内で最も広く栽培されている品種です。栗の香りが強く広がり食べると程よい甘みのある栗です。
他には、栗の王様と呼ばれる"利平栗"。ふっくらとした粒と丸い形が特徴で、甘みと香りが強く濃厚な味わいの品種です。
晩成の新種では"石鎚"。赤みがかった赤茶色の色合いの品種で、煮崩れしにくいことと、貯蔵性も高いことから加工用としても適している栗です。
栗は受粉において、違う品種同士で掛け合わせないと受粉しません。
そのため混植して栽培し、受粉させていきます。
実がなると、品種によって特徴が出てきます。
例えば実がなると、枝が垂れ下がるのは"石鎚"です。
枝が折れてしまわないように、摘果をする必要があります。
そのように、品種ごとに育て方に工夫することで、より美味しい栗を育てることができるのですね。
栗はいがの中に実が実ります。
基本的には、いがの大きさと実の大きさは比例して大きくなります。
大きい実が美味しいというものではありませんが、適度に摘果を行い、実に栄養を集中させることで、大粒で美味しい栗を育てます。
・皮に光沢・ツヤがあるか
栗の大部分である茶色い「鬼皮」に光沢があるものがおすすめです。
・表面がしなびていないか
表面がシワのようになっていないツルツルしているものを選びましょう。
・ずっしりと重みがあるか
栗は時間がたつと水分が失われていくので、水分を含んでいて重みが感じられるものが新鮮な栗と言われています。
・虫食い穴に要注意
皮に傷が付いてるものや黒っぽく変色していているもの、小さな穴が空いているものは虫に食べられている可能性が高いので避けましょう。
栗は熟すと自然落下します。
いがの状態で落ちた栗を、足で押し開き、トングで中身を拾っていきます。
この作業はもちろん全て手作業。
なかなか腰にくる作業です。
丹精込めて収穫された栗は、この選果台の上に並べられ、手作業で傷がないか等を確認し、サイズや品質ごとに振り分けられていきます。
こうして丁寧に収穫された笠間の栗は、茨城県笠間市にある笠間栗ファクトリーへ届けられ、鮮度の高いうちに栗ペーストと甘露煮に仕上げられます。
収穫から日数を経たずして、すぐに加工されることで、笠間の栗の本来の豊かな風味や上品な味わいをそのままに、商品にすることが出来ます。
「笠間の栗」の特徴である薫りの良さやホクホクとした食感をお楽しみいただけるよう、添加物や着色料を使用せずに、栗ペースト、栗の甘露煮へと加工しています。
特に栗ペーストは、「笠間の栗」が持つ素朴ながらも上品な甘さを味わっていただくため、砂糖の量を控えめにしています。
糖度は毎日計測され、安定した品質と味になるよう作られています。
栗は収穫時期によって、品種がリレーされていく作物です。品種によって若干ある味わいの差を、熟練のプロの技術と、正確な計測によって、美味しい味わいに仕上げています。
ラ・メゾンの11月のタルトで使用する笠間栗は、2023年の『新栗』。
今年の美味しい味わいの笠間の栗を、ラ・メゾンのタルトでお楽しみください。
1piece ¥1,280(税込) / 1whole<21cm>¥12,800(税込)
販売期間:2023年11月1日〜11月30日
販売店舗:ラ・メゾン アンソレイユターブル カフェ店舗(ランドマーク店を除く)
笠間市産の風味豊かな栗を使用したタルト。大納言あずき入りの抹茶ケークタルトにミルククリームとモンブランクリームをしぼり、栗の甘露煮を飾りました。